昭和の時代は、大学に通う人は学問に優れており優秀な学生という「特別な場所」という印象がありました。
しかし、平成、令和と時代が移り変わっていく中で、大学は「通うことが普通」という認識に変化しています。
文部科学省が開示している令和元年度学校基本調査の大学等進学率によると、
大学等進学者数は約57万5,000人、男性は約27万4,000人、女性は約30万1,000人。
大学進学率は54.67%と発表されており、半分以上の人が大学に通っている計算になります。
年々、大学進学率は上がっており、令和の時代においては「大学を卒業して当たり前」という時代が来るかもしれません。
一概に大学といってもピンからキリまであり、その中でも近年注目を集めているのが「Fラン大学」というものです。
インターネットを中心に広まった用語のため、若い世代の人は聞いたことがあると思います。
今日は、そんなFラン大学について詳しく説明します。
目次
そもそもFラン大学とは?
Fラン大学には、正式な定義は存在しません。
一般的な定義でいうと 、BF(ボーダーフリー)の略で、誰でも入学できる大学を指します。
実際は、誰でも入学できる大学でないところもFラン大学といわれることがあるので、一概に「●●大学はFラン大学」ということは難しいです。
Fラン大学は本当に存在するのか
そもそも、Fラン大学は存在するのでしょうか。結論を先にいうと、Fラン大学は存在します。
上述した通り、大学に進学する学生は増えていますが、少子高齢化によって人数は減少しています。しかし、大学数は右肩上がりで伸びており、需要と供給がマッチしていない状態なのです。
大学の収入源は「学生の学費」です。そのため、ある程度の学生の人数を確保しなければいけません。
しかし、有名大学なら集客には困りませんが、人気のない大学は学生を確保することができず、定員割れを起こしてしまいます。
定員割れを起こすということは、結果として「受ければ誰でも合格できる大学」になり、勉強していない学生も大学に入学可能というわけです。
一般的には、このような大学を「Fラン大学」と定義づけることが多く、確かにFラン大学は存在しているといえます。
ぶっちゃけ、Fラン大学ってどこ?
多くの人が気になるであろう、「Fラン大学には入学したくない」「どこがFラン大学なの?」ということ。
実はこれが難しく、Fラン大学は人によって定義が異なるので一概にはいえません。
「偏差値50以下はFラン」「March以下はFラン」「偏差値35以下はFラン」などいろんな意見がネット上を中心に交わされていますが、これらはあくまでもネット上での意見なので、大切なのはこのような情報に振り回されないことです。
参考にする程度であればいいですが、「自分の大学はFランなんだ…」と卑下する必要は全くありません。Fラン大学でも多くのメリットがありますので、詳しくお伝えしていきます。
Fラン大学に通うメリットとデメリット
Fラン大学に通うメリットは、以下の3つが挙げられます。
2.受験勉強をしなくてもよい
3.時間を有効活用することができる
順番に解説していきます
大卒の資格が手に入る
日本の求人は「最終学歴」によって条件が変化します。
例えば、同じ職場で同じ職種にも関わらず、大卒の方が給料が高かったり、求人応募条件に「大卒以上」と書かれていることも珍しくありません。
東京大学でもFラン大学でも同じ「大卒」に変わりはなく、大学を卒業することで給料面や就職面での優遇が受けられるのです。
受験勉強をしなくてもよい
高校時代は、自分の好きなことに打ち込みたいという人もいるはずです。
勉強はあまりせず、部活動や課外活動に打ち込むことも決して悪いことではなく、人生の良い経験になります。
「受験勉強をするくらいなら自分の好きな活動に全力で取り組みたい」という人にとっては、難易度の高くないFラン大学は大きなメリットです。
時間を有効活用できる
「大学時代は人生の夏休みである」という言葉があります。
バイトをしたり、学業をしたり、部活動に精を出すことはもちろん、世界1周旅行や自転車で日本1周など社会人になるとなかなかできないことがたくさんあります。自由な時間が多い大学生だからこそ経験できることです。
大学生の間にそのような経験をすると、それは一生の思い出になります。
また、4年間の間に難関資格を取得する、4年間の間に自分のしたいことを探すなど大学生だからこそできる時間の使い方もあります。
「ニートになれば時間を得られるのでは?」と思うかもしれませんが、大学生とニートでは精神的余裕が全然違います。
精神的余裕がないと心から楽しむことができないため、大学生になることで
時間を有効活用できるというのがFラン大学に行く強みです。
Fラン大学のデメリット
Fラン大学のデメリットは以下の3つ。
2.世間体が悪い
3.就職に苦労する
一つずつ解説していきます。
周りの雰囲気に流されると将来に困ってしまう
当然これはどの大学にもいえることですが、Fラン大学は、学生全員の質が高いとはいえません。
パチンコや遊びに誘われることも珍しくなく、メリットで上げた「有効な時間」を無駄にしてしまい何もせずに4年間を過ごしてしまう可能性もあります。
大学での4年間を有意義に使うか、自堕落に使うかはあなた次第です。周りに流されず自分の意志で時間を有効活用したいです。
自堕落な生活は楽しいですが、将来必ず返ってきます。大学4年間を無駄にしないようにしましょう。
世間体が悪い
Fラン大学は、地元の人には良く知られている大学であることが多く、正直、あまりいいイメージは持たれていません。
友達と会話をしたりすると、あまりいい目で見られないこともあるでしょう。
また、社会に出てからも大学名を聞かれることはあり、大学の名前というのはその先、一生ついてくるものです。
もちろん、大学名で人を判断する人ばかりではありませんが、一定数の人はそれだけでジャッジしてしまうなど世間体が悪いというのがFラン大学のデメリットです。
就職に苦労する
有名大学と比べると就職率は低くなり、大手企業への就職が困難なのがFラン大学です。
もちろん、Fラン大学から大手企業へ行くことも十分可能ですが、多くはありません。(詳しくは後述)
新卒時は経験やキャリアで比べることができないため、企業の人事は「大学名」で一次選考を行います。大手企業には学歴フィルターというものが存在して、ある程度の大学名でないと書類選考にすら通ることができません。
学歴フィルターについては下記記事を参考、
また、地元の中小企業でも有名大学の人を積極的に採用する傾向があり、Fラン大学の人は学歴以外のポイントをアピールしなければいけない場合があります。
ただ、中小企業の場合は大学名ではなく能力を重視する傾向にあるため、Fラン大学でもうまく自分を表現できれば内定を得られる確率はたくさんあるので、Fラン大学ならではの戦い方を研究したいです。
Fラン大学は大手企業に就職できないのか
上述した通り、大手企業は学歴フィルターが存在するところが多く、残念ながらFラン大学の学生は有名大学の学生よりも苦労するでしょう。
ただ、Fラン大学でも大手企業に就職することはもちろん可能で、大手企業に就職するためのポイントは以下の2つあります。
2.先輩が就職した有名企業にエントリーする
このどちらかの条件を満たしている大手企業は「この大学の学生を採用する意思がある」ということになります。
企業が採用する気がない大学の学内セミナーに参加する意味はありませんし、時間の無駄です。
企業は多額のコストをかけて採用を行っているため、「何となく学内セミナーに参加する」ということはまずあり得ません。
学内セミナーに参加する大手企業をしっかりと分析することで、大手企業への就職のチャンスが広がります。
もちろん、一筋縄ではいかないのでちゃんとした面接対策と事前準備を行う必要はあります。
Fラン大学生の大手企業への就職については「Fランだと大企に就職できない?内定をもらえない8つの理由」を参考。
大手企業以外なら公務員がおすすめ
「大手企業は転勤や競争が激しいから行きたくない…」、そう考える人は公務員になることをおすすめします。
公務員では、学歴は関係なく有名大学でもFラン大学でも等しくチャンスが与えられています。
そのため、Fラン大学でも公務員であれば世間体がよく安定した給料を得られます。
公務員の人気は年々上がっており、早稲田大学や慶応義塾大学の人が市役所の試験を受けに来る時代です。
チャンスが等しくあるといっても、Fラン大学の人はしっかりと公務員試験対策を入学時から準備しなければいけません。
大学によっては公務員セミナーというものが実施されており、学内で公務員対策の勉強をすることも可能です。
1年生や2年生の時からしっかりと勉強することで公務員への道が開けます。平等にチャンスがある公務員は、Fラン大学の学生にとって魅力的な就職先です。
まとめ:Fラン大学に通っても結局は自分次第
いかがでしたか?
今日は、Fラン大学についてでした。
最終的にはどの大学に通っても大学の4年間で何をしたのか、これが大切になります。
有名大学に通っても自堕落な生活をしてしまう学生もいますし、Fラン大学に通っても起業したり、いろんな活動を積極的に行う学生もいます。
「Fラン大学だからどうしようもできない…」と考えるのではなく、自分が今何ができるかをしっかり考えて行動することが何よりも求められているのです。
大学の4年間は長いようでとても短いもの、時間を有意義に使い充実した大学生活を送りましょう!